1985年生まれ、37歳の男性です。

今回紹介したいのは川原正敏の『海皇紀(カイオウキ)』です。

架空の歴史物を描いているということで興味を持ちました。

作者の川原正敏先生は『修羅の門』『修羅の刻』などの作者としても知られています。

自分も元々それらの作品のファンで、その作者が架空の歴史物を描いているということで興味を持ちました。

海皇紀のあらすじ

海皇紀』の世界は三国志の熱狂的なファンでもある作者の趣味が色濃く反映されています。

古代中国や日本、アジアなどを思わせる設定となっています。

作中ではっきりと明言こそされていませんが、おそらく私たちの生きる今の世界の遥か未来の地球を舞台としてあります。

「古代の魔道の業」として現代の科学技術か、その先にある未来の技術を思わせる道具なども多く登場します。

しかしそれらはすでに失われた文明の遺物であり、一般の人々の生活はもっと素朴。

少なくとも「機械」や「科学技術」と呼べるようなものは日常生活には登場してきません。

兵士たちは拳銃を持たず、剣と弓で戦い、地上では馬に乗り、海では帆船を操って戦争をしています。

そんな中で大国同士の争いや、覇道を目指す英雄たちの姿が描かれます。

昔ながらのファンも楽しませてくれます

主人公のファン・ガンマ・ビゼンは「海の一族」と呼ばれる部族の一人です。

国家に所属せず世界中の海を自分たちの庭としながらも、様々な理由によって大国の戦争に介入していくことになります。

が、そこで商船高等専門学校出身である作者の帆船の知識がいかんなく発揮されているのも見どころ。

さらに『修羅の門』の陸奥圓明流を思わせる技も登場するなど、昔ながらのファンも楽しませてくれます。

架空の歴史物というと少し難しそうにも感じられます。

が、ストーリーの流れが上手く、また説明も最小限に抑えられているので、漫画としてはとても読みやすいです。

登場人物たちの動きを追ってスルスルと読めてしまいます。

なので、気軽に壮大な歴史創作を読みたいという人にもおすすめです。

帆船を駆使した駆け引きが楽しく、その結末にも痺れました

自分としては海の一族の王を決める「王海走」での帆船を駆使した駆け引きが楽しく、その結末にも痺れました。

私は他の作品では『アルスラーン戦記』や『皇国の守護者』なども好きですが、そういった作品が好きな人にもおすすめです。