「機動戦士ガンダム00」が面白かったです。

数字の0を2つ重ねてダブルオーと呼ぶこの作品は、ガンダムシリーズの一つで、2007年〜2009年にかけて2部構成で放映されました。

「機動戦士ガンダム00」の舞台

化石燃料に替わり太陽光発電が充実して、半永久的エネルギーを獲得した地球が舞台です。

そこは3つの大きな国家間グループが支配する世界で、グループ同士の覇権争いや、それに反抗する者、世界から取り残された者などが起こしてしまう限定的紛争は断続的にあり、エネルギーの心配は無くなっても戦争は無くなっていない設定です。

そこに、ガンダムを操り、ガンダムの持つ武力で世界の戦争を根絶させると宣言した集団が現れるところから始まる物語です。

「機動戦士ガンダム00」の大まかな話の流れ

3つの国家間グループの設定が、アメリカ主導、EUの発展型、中国主導と見られるものになっていて、大国のエゴ丸出しです。

日本はやはりアメリカと手を組んでいるようです。

また、化石燃料で世界に存在価値を見せつけていた中東は低迷してしまい、経済貧困と昔から続く宗教問題もあって、住民がかわいそうな状況に陥っています。

それに、人体に科学の手を入れてその能力を、法的や倫理的に疑問のある形で強化していく組織もいます。

たった4機で世界各地に武力介入するという、普通なら無謀な行動をとるガンダム達ですが、序盤は飛びぬけた性能と緻密な戦略で各国軍隊を圧倒していきます。

しかし、危機感を持った3つのグループが手を組む流れになって共同戦線を張り、ガンダムを攻撃したり、ガンダムの秘匿情報をリークされてしまい、ガンダムと同等の性能を有するメカが出現していきます。

最初は計画どおりに戦略がはまっていたガンダム側も、結局は人が動かすのですから、それぞれの心情の変化で徐々に計画がうまく進んでいかなくなっていきます。

近未来を想像させる「機動戦士ガンダム00」のストーリー展開

物語の中に登場する、国・地域が抱える問題は、今の現実世界から巧みにシミュレーションされており、3つの国家間グループは実際に起こりえそうです。

そして、もしそんな世界を新技術による圧倒的敵対勢力(この作品ならばガンダム)が攻撃してきたら、最初はグループそれぞれが我先に功名をあげるべく動き、それが叶わないなら共同戦線を作るだろうというのも有りそうです。

物語は、共同戦線が契機となったのか地球連邦という地球が一つの国になるという夢のような展開に進んでいきますが、やっぱり大なり小なりそれに反抗する存在が現れます。

その反抗者達を政府は力を持って弾圧していきます。

そして、その弾圧に抵抗するという繰り返しです。

「機動戦士ガンダム00」で印象深い名場面

ストーリーで秀逸だったのは、戦争なんて遠い存在と思っていた一般人が、普通の日常から突如テロ現場に遭遇したり、武力により身近な人々を傷つけられたり亡くしたりします。

ある学生はガールフレンドから指輪をプレゼントにせがまれます。

彼はバイト代を貯めてようやく指輪を買いますが、彼女が砲撃に巻き込まれて負傷したと聞きます。

見舞先にいた彼女は元気そうに見えて一安心し、ここぞとばかりに指輪を贈ろうとします。

しかし、彼女はプレゼントを拒みます。

指輪をはめることの出来ないレベルに負傷していたのです。

それに一緒だった両親が砲撃で亡くなっていたのです。

ここはすごく涙モノでした。

「機動戦士ガンダム00」、面白いですよ。

子どもには国際情勢は難しいものですが、それなりな年代でガンダム好きの人なら面白いと思える作品でしょう。

元々最初のシリーズも増えすぎた人口を宇宙に移住させるスペースコロニーが存在する世界という、可能性として有りそうな話でした。

この作品はその初代から続いている、ありそうな未来をもっと現実的にしたとても興味深い物語だと感じます。